ほどほどの焙じ茶 ※DeepRoast

「ほどほどの煎茶」、これは毎日毎食お茶を飲みたい方にコスパの良い商品をということでご紹介させていただいておりますが、その焙じ茶バージョンとなります

 

木花茶寮には全国から取り扱い店や一般の方、様々な方がきてくださりますが、

「美味しいと思える焙じ茶を飲んだことがないんですけど、渡辺さん作れませんか?」

と、いきなりお願いをされ

「いや、頑張って良品を作ってる方はたぶんいる、、」と思いつつ、

火がついてしまい取り組むことになったお茶です

 

と言っても、昨年も焙じ茶を売っており、今まで適当に作ってきたわけではありません

品種や時期や摘採葉の熟度等もかえ試行錯誤を繰り返してる最中でもありました

今まで作ったものは、満足はしていますが、焙じ茶というのは地域によって飲む飲まないも偏りがあり、お客様の反応や販売店様の反応を見ても全員にささるようなものを作るのが難しいと感じていました

 

「ほどほど」シリーズで焙じ茶をゆくゆくは販売したいという思いはありましたが

このシリーズは誰が飲んでも美味しい、高級茶ではなく万人が飲め、毎日続けても飽きないといったところを目指しています

簡単に説明すると、炭酸界でいう三ツ矢サイダー、ウィスキーでいうマッカラン的なものを作りたい

(毎日は飲まないと思いますが)恐らく嫌いな人が極めて少なく美味しいと思え、特に興味がない人でも飲めてしまう、しかも品質は良好

そんなお茶が出来ないかと、、

 

烏龍茶の焙煎に深みや多種の香味があるのは、前段階で発酵度を調整している為で、発酵度をあげる=焙煎に負けない香味を作る、焙煎で変化させていく内容成分を作るという目的があります

ほうじ茶というのは緑茶を焙じているだけなので、基本焙じる機械や火入れ温度や時間でしか違いを作ることができないお茶ということになります、しかしそこはそこでシンプル故に深い知識や技術、経験も必要ではあります

 

さて、どうしたものか、烏龍茶の製茶知識を取り入れて何ができるだろうと考えた結果

焙じた時に少しでも変化を加えられる要素を入れるしかないわけで、、そうなると個性のある品種という選択も出てきますが、これは誰にでもできてしまうので、ウンカの加害葉を利用し、量も確保でき癖のないやぶきたで色気のある焙じ茶を作るという結論になりました

具体的にはウンカの加害を受けつつ成長した開葉〜直前の葉を使用しています

 

焙じは烏龍茶を作る際に使う殺青機で焙じていますが、乾物の葉の形状的に鍋肌に当たる面が限られ均一に火が入らない為、その後に温風焙煎機で全体にムラがないようにまとめているのと同時に、芯まで火を通しています

釜での焙じ9割、温風焙煎1割といったイメージで、完成に二ヶ月ほどかかります

 

烏龍茶程ではありませんが、煎も5回ほど続き、余韻の残り香もあり、何人かの知り合いにも飲んでもらいましたが、烏龍茶のような広がりで一般の焙じ茶とは違う印象ということでした

是非是非ブースにて試飲してください