金谷みどり

さやまかおり同様、木花茶寮設立時からアイコンとして販売している烏龍茶です

軽発酵、軽焙煎仕上げ、2021年5月に製茶したものを寝かせ、ジャパンティーフェスティバル用に仕上げた3年熟成ロットです


同じく軽発酵のさやまかおりは揮発性の香りとコクが大きな特徴ですが、金谷みどりは揮発性ではなく内質的な香味が特徴となります

甘い柔らかな香りに若干の乳香・ミルク香があり、喉を通った後に烏龍茶の共通する喉奥に沈みこむような深みのあるコクを感じた後、喉元から香りと甘味が戻り頭の上に心地よく抜けていくような印象の烏龍茶です


さやまかおりはその特徴から近代的な烏龍茶となりますが、金谷みどりは伝統的な昔ながらの烏龍茶の要素を持っています

内質的な香味のある烏龍茶は焙煎によってその成分を変化させていくことが可能です

このロットも温度を変えながら数十時間焙煎を施し特徴が際立つ烏龍茶に仕上げています


香味の骨格がしっかりとしている為、お茶だけを楽しむも良し、食事や間食と合わせても良しと飲むシチュエーションの幅が広いのも特徴です


作りたての烏龍茶のフレッシュ感、季節感や荒々しさはそれで良いものですが

寝かすことで丸みをおび優しく変化したものはやはり昔からの醍醐味です


台湾など烏龍茶を日頃から日常的に飲む国では、このような寝かせた優しい烏龍茶を日常的に飲み、季節ごとにその時期のフレッシュなものを少量楽しむという方も多くいますし、私自身もそのようなお茶の飲み方や購入をします


いつ口にしても安定していて美味しく落ち着けると感じるお茶は自分のスタンダードにして良いお茶で、このようなお茶に共通して言えることは口に入れた時に違和感なく体の中へ消えていきます

これは自体が拒否をしていない、無意識のうちに受け入れているという証拠で自分の身体に合う、自分の身体に負担がかからないお茶として判断して良いと思います

茶師の私にとってそのお茶の一つがこの金谷みどりであったりします




【おすすめの飲み方】

4gの茶葉に200cc程の熱湯、各煎30秒ぐらいで6煎程楽しめます

冷茶の場合、上記と同じ要領で常温の水を入れ冷蔵庫で一晩で出来上がります